2017年現在夫婦の10組に1組は「なかなか赤ちゃんができないこれって不妊症?」と悩んでいます。

避妊をせずに自然にまかせていると、夫婦の90%が1年以内に妊娠するという統計があります。逆にいうと、1年たっても妊娠しない夫婦が10%はいるということです。

この定義は2015年に改定されました。2015年以前は2年以上子どもができない場合は不妊症とされましたが日本産科婦人科学会が不妊定義を2年から「1年」に変更したそうです。

10分の1という確率は、結構高いものです。赤ちゃんが欲しいと思っているのに、なかなかできないという現実に直面すると、なぜ私たちだけがという思いがしてきますが、世の中には同じように思い悩んでいる人たちがたくさんいるのです。このように、不妊の問題はけっして特別なことではありません。

不妊の原因は男性と女性の双方にある

「WHO(世界保健機関)による7273カップルの不妊症の原因調査」 によると、下の図のような結果が得られました。これを見ると、「女性のみにある」がいちばん多いのですが、「男性のみにある」「男女双方にある」 も相当数にのぼることがわかります。

「WHOによる7273カップルの不妊症の原因調査」より

不妊症の人は年々増えている

近年の不妊治療の進歩は目をみはるものがあり、昔だったらあきらめなければなかった症例でも、妊娠のチャンスが得られるようになってきました。そのため、不妊専門の病院やクリニックも増え、数多くの患者さんが 治療に通っています。

一方で、医療現場では、不妊に悩む人たちが増えているという実感もあり、その原因として下記のようなことが指摘されています。

不妊症の女性と男性が増えた原因とは

  • 女性の晩婚化で30代になってきてから妊娠を望む人が増えてきている。
  • 子宮内膜症や子宮筋腫など、不妊につながる病気に掛かる人が増えている。
  • 性感染症が増えてきている。
  • 環境ホルモンなど生活環境が悪化してきている。

不妊症の原因で多いのは

妊娠をさまたげる問題には、下記のようなものがあります。不妊症の原因とは、これらのことです。ひとりでいくつかの原因を抱えている場合もあります。

女性側の不妊の原因

排卵障害

卵子が成熟しない、成熟しても排卵しない

卵管障害

卵管が詰まっていたり、せまくなっている

着床障害

受精卵が子宮内膜に根づかない

子宮頸管の通過障害

精子が子宮頸管を通れない、シャットアウトされる

性行為障害

セックスができない、セックスに嫌悪感がある

機能性不妊

これといった原因がないのになかなか妊娠できない

男性側の不妊の原因

造精機能障害

精子の数が少ない、動きが悪い

精管通過障害

精子が精管を通過できない

性行為障害

勃起しない、射精できない

赤ちゃんができないなと思ったら

「そろそろ赤ちやんが欲しいけど、なかなかできないな」「避妊しているわけでに ないのに、なぜか妊娠しないな」という人は、意外と多いのではないでしょうか。そんなときは、まず、月経やからだの状態、生活習慣をふり返ってみましょう。

女性の月経のこと

月経痛がひどい、月経不順など、気になることはありませんか。月経は女性の健康のバロメーターのひとつであり、何らかの不調がある場合、不妊の原因となる病気が潜んでいることも少なくありません。気になるこあったら婦人科を受診してみましょう。

女性の毎日の運動や食などの生活

仕事が忙しくて残業続き、普段はほとんど運動しない無理なダイエットをしているなど心あたりはありませんか。不規則な生活や運動不足、栄養不足などは、妊娠を遠ざける要因にもなります。赤ちゃんをむかえたいと思ったら規則正しい生活を心がけましょう。

女性の体のこと

からだが冷えやすかったり、貧血が気になる人は注意がひつようです。ホルモンは血液にのって運ばれますが、冷えから血流が悪くなったり、貧血で血液が不足したりすると、ホルモンが子宮や卵巣まで届かないことがあるからです。血液をつくる作用のある鉄分を意識してとるようにしましょう。

男性のからだのこと

糖尿病や高血圧などの診断をされていませんか。生活習慣病は性機能の低下や精子を形成する力を下げると言われています。また、過去に高熱を出したりおやふくかぜにかかったことがある人も注意が必要です。一度、医師に相談してみましょう。

生活習慣

毎晩、残業や接待が続き帰宅は深夜、仕事の大半はパソコンに向かっている。禁煙週間があるといった人は要注意です。これらの週間は男性が不妊を招く要因になることがあります。できることから少しづつ改善するようにこころがけましょう。

赤ちゃんがなかなかできないのはなぜ?何が原因があるの?と心配になったら、原因につながるサインをチェックしてみましょう。

赤ちゃんがなかなかできないからといって、不妊症とは限りません。セックスのタイミングが少しずれているのかもしれませんし、単にふたりの体調がちょっとよくないだけかもしれません。
ですから、ふつうは1年ぐらいはようすをみます。

1年以上たっている場合は不妊治療チェックを行いましょう。

ただし、妊娠をさまたげる病気などがありそうなときは、1年待たずにすぐにでも病院へ行くべきです。

様子をみる期間は1年
不妊症の定義として、2年以上赤ちゃんができない場合を不妊症とする考え方があります。そのため、以前はとりあえず2年はようすをみて、それで妊娠しないようなら病院へといわれていました。
しかし、不妊治療には時間がかかること、そして現在女性の晩婚化が進んでいることから、病院へはもっと早く行ったほうがいいと思われるようになりました。

現在では、様子をみるのは1年が目安になっています。

女性の年齢が35歳以上ならすぐに病院へ

女性のライフスタイルが変化し、30代は仕事やプライベートを充実させる時代、30代は家庭を築く時代と考える人が多くなりました。

実際に出産年齢も昔に比べ高くなっています。30年ほど前、つまり現在30歳前後の女性たちの母親世代と比較すると、20代で出産する人の数は半減し、逆に30代前半での出産は約1.5倍に、30代後半での出産は倍増しています。

しかも、いまの30代は昔の20代、40代は30代に相当するのではといわれるぐらい、いつまでも若々しい外見で、体力や気力も充実してイキイキとしている女性が増えていますので、20代の妊娠・出産にちゅうちょすることもあまりないようです。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。いくら見た目や精神的に若くても妊娠・出産には、実はタイムリミットがあるということ。残念ながら、赤ちゃんを授かるチャンスはいつまでもあるわけではないのです。

ですから、女性の年齢が30代半ば以降なら、1年もようすをみないで、すぐに病院へ行くことをおすすめします。「気になる症状もないのに病院へ行くの?」と思うかもしれませんが、健康診断を受けるようなつもりでいいのです。その結果、まったく問題なければ安心できますし、もし何か問題が見つかったら少しでも早く治療したほうがよいからです。

赤ちゃんが欲しいと思ったら、とにかく早めに病院へ行って、からだをチェックしてもらいましょう。

妊娠するチカラは30代後半から落ちていく

30代後半になると、女性のからだは転機を迎えます。妊娠を望んで性生活をしている女性が1年以内に妊娠できない割合は、25歳未満ではわずか6%ですが、30歳以上になるとこれが30%を超えるといわれています。つまり、35歳以上になると、だんだん妊娠しづらくなってくるのです。

なぜ妊娠しづらくなるのかというと、いちばんの原因は卵子の老化。卵子の絶対数が減り、健全な卵子が成熟しにくくなるのです。また、妊娠したとしても、加齢とともに流産率は上がります。

不妊治療の現場でも、30代後半になると時間との勝負になります。もともと不妊治療は時間がかかります。というのは、原因が複雑で、それを探るだけでもたいへんだからです。しかも妊娠のチャンスは月に1度だけです。1年、2年はあっという間に過ぎてしまいます。

なぜ卵子は老化する?
卵巣には、女性が生まれたときに500万個もの原始卵胞があります。しかしこれは少しずつ自然消滅し、思春期を迎えるころには30方個となり、以後毎月数百個ずつ減少していきます。45〜46歳ごろになると数千個にまでなってしまうそうです。

このように原始卵胞の数が減ると、卵巣は健全な卵子を排出することが難しくなってきます。40歳前後になると、排卵はしていても、受精能力のある卵子が出てくる確率が徐々に低下してしまうのです。

不妊症に男性の年齢は関係ない

高齢男性がパパになったというニュースがときどきあるように、妊娠・出産に関して、男性の年齢は関係ありません。

とはいえ、年を重ねれば、成人病などにかかる確率は高くなります。病気によっては、精子をつくる機能を低下させることもあるので、その点は注意が必要です。

不妊治療の病院はどこに行くか

不妊症のチェックで気にななる箇所があったり女性の年齢が35歳以上だった場合、病院はどこへ行くのがよいのでしょうか。とりあえず近所の婦人科へと思う人もいるかもしれませんが、赤ちゃんが欲しいのなら、不妊症の専門医のいる婦人科や、不妊症の専門病院へ 行くのがベストです。

もちろん、一般の婦人科でもある程度の診断・治療はできますが、やはり限界があります。あっさり妊娠できればラッキーですが、途中で不妊専門のところへ転院せざるえないこともあります。そう考えると、最初から 不妊専門のところへ行ったほうが、結局は時間を無駄にせず、早道になります。幸い、設備やスタッフの充実した不妊専門のクリニックや病院が増えていますので、以前よりも探しやすい状況です。