排卵日に胸が張るのはなぜ?生理のメカニズムと痛みを和らげる7つの方法を知ろう!

生理が終わり、ようやくスッキリした気分になれたと思ったのも束の間、2週間ほどすると「胸が張って痛い」と感じる人が多いようです。基礎体温をつけていればはっきりとわかりますが、その張りと痛みの訪れは排卵の影響によるものかもしれません。生理のメカニズムを知り、いつでも快適に過ごせるように対処していきましょう。

排卵日と胸の張りは関係があるの?

思春期を迎えると女性は、生理との長いお付き合いが始まります。生理中は、生理痛などの不調を訴える人も多くいますが、生理ではない日も私たちの体はホルモンの影響を受けています。そのひとつとして体に現れるのが、排卵日ごろに見られる「胸が張る」「胸が痛い」という症状です。生理のメカニズムについて、ここでもう一度おさらいをして、自分の体で起きていることを知っておきましょう。

生理に関わる4つの女性ホルモン

生理には、4つの女性ホルモンが関わっています。

★卵胞刺激ホルモン
卵巣の中で卵子を包んでいる「卵胞」を刺激し、成長を促進させるホルモンです。排卵で卵子が卵巣から飛び出すと、「卵胞」は「黄体」に変化します。

★卵胞ホルモン
エストロゲンともいい、卵胞刺激ホルモンに刺激された卵胞から分泌されるホルモンです。生理が始まると同時に少しずつ分泌量が増え、排卵するころまで増え続けます。子宮内膜を厚くして妊娠に備えた体を作る働きをします。また、排卵前には「おりもの」を増やし、精子が子宮に届きやすい環境を作ります。排卵すると、卵胞ホルモンの分泌量もおりものの量も減ります。

★黄体ホルモン
プロゲステロンともいい、黄体から分泌されるホルモンです。排卵したすぐ後から分泌量が増え、妊娠に備えて子宮内膜をやわらかくする働きをします。そのほか、血管を広げて骨盤の中に血液をためる、水分を体内にたくわえる、乳腺を刺激するなど、妊娠した際おなかの中で赤ちゃんを育てるための準備をする働きがあります。

★黄体化ホルモン
排卵を促すホルモンで、卵胞が成熟すると分泌されます。

この中で、胸の張りや痛みに大きく関係しているのが黄体ホルモンです。

生理のサイクルと女性ホルモンの変化

生理が始まってから次の生理が始まるまでの期間は、女性ホルモンの変化によって、次の4期に分けられます。

★月経期
生理が始まってから終わるまでの期間です。妊娠が成立しなかったことを受け、
妊娠に備えて増えていた黄体ホルモン、卵胞ホルモンの分泌が減ります。

★卵胞期
生理が終わると、卵胞刺激ホルモンの働きで卵巣の中にある卵胞が発育を始めます。
卵胞の発育に合わせて卵胞ホルモンの分泌も増え始めます。

★排卵期
卵胞ホルモンの分泌がピークになり、黄体ホルモンが分泌されるようになります。
卵巣から卵子が飛び出す「排卵」が起こる時期で、だいたい生理が始まってから
14日前後です。

★黄体期
卵子が卵巣から飛び出した直後、卵胞が黄体に変化して黄体ホルモンの分泌が増える時期です。
この時期に妊娠が成立しないと、再び月経期へと移行します。

この4期を繰り返すのが生理のサイクルです。

胸の張りは黄体期に増える黄体ホルモンの影響

人によって差がありますし、体調によっても変化しますが、だいたい生理の1サイクルは25日~38日程度です。その短い期間のうちに、私たちの体の中ではさまざまな変化が起こっていることがわかりました。

胸の張りや痛みは、排卵日というよりも、正確には排卵した後に起こります。その時期は「黄体期」に当たり、黄体期に分泌が増える「黄体ホルモン」の影響を大きく受けています。

先ほど「女性ホルモン」の項で触れた通り、黄体ホルモンは妊娠をサポートするために、体に様々な働きかけをします。その中には「乳腺を発達させて、母乳が出るようにする働き」があり、これが胸の張りや痛みの原因と考えられています。

これは生まれてくる赤ちゃんのための準備ですが、妊娠が成立しなければ黄体ホルモンは徐々に減り、生理が始まります。そうなると母乳の準備も必要なくなりますから、胸の張りや痛みも消えていくというわけです。

胸の張りや痛みをやわらげる7つの方法

このように見てくると、女性がスッキリと気持ちよく過ごせる期間は、1カ月のうちの半分あるかないかなのですね。閉経を迎えるのは一般的には40代の終わりごろから50代の初めにかけてといわれていますから、それまではこのサイクルと付き合っていかなければなりません。だとしたら、なるべく快適に過ごせるようにしたいものですよね。

ここからは、胸の張りや痛みをやわらげる方法について見ていきましょう。

胸を優しくマッサージする

胸の張りや痛みの原因のひとつとして、血行が悪くなっていることが挙げられます。そこで血行をよくするためのマッサージをして、症状をやわらげようというわけです。胸のマッサージは、出産した後の授乳期に起こる強い胸の張りや痛みを軽くするためにも欠かせないものです。

胸の血行がよくなるようにイメージしながら、優しく円を描くようにマッサージをしてください。じかに胸に触れやすく、体が温まっている入浴中にすると効果が上がるのではないでしょうか。

ゆったりとした下着を身につける

胸が張ったり痛んだりするときは、下着で締めつけないようにしましょう。締めつけると血行が悪くなり、胸の張りや痛みを増幅させてしまいます。

いつものブラジャーのホックをずらしてゆるめにする、スポーツタイプなど伸縮性のあるブラジャーを使う、ブラトップなどカップつきのキャミソールやタンクトップにするなどしてみてください。ノンワイヤータイプのブラジャーもおすすめです。胸回りが楽になり、張りや痛みも軽減されるでしょう。

体を温める

黄体期は、赤ちゃんを育てる準備として、体内に水分をためこもうとします。そのため、むくみを訴える人も多いのですが、体を冷やすとむくみが悪化してしまいます。すると、血液の流れが悪くなり、胸の張りや痛みにも影響が出ます。ですからこの時期は、体を温めて冷やさないように心がけてください。特に下半身のケアが大切です。

おなかや腰を腹巻きで保温する、ショーツを2枚重ねにする、ソックスをはいて足先を保温するなど、家にいるときはファッション性よりも、体重視で。

気持ちよく感じる温度のお湯に足をつける「足湯」も効果的です。洗面器やバケツなどにお湯をはって足を入れるだけ。ホルモンバランスを整える効果があるアロマオイルをお湯に落とすのもおすすめです。ゼラニウム、クラリセージ、ローズなどはいかがでしょうか。香りの好みに合わせて選んでみてください。

生活のリズムを乱さない

生活リズムの乱れは、ホルモンの分泌量に影響を及ぼします。ホルモン分泌量の変動は、心身に不快な症状をもたらす原因にもなります。

生活のリズムを乱さないというのは、口で言うほど簡単なことではないかもしれませんが、せめてベッドに入る時間は変えないようにするなど、体に無理のない生活を心がけてみましょう。睡眠時間をきちんと取ることは、心身ともに安定した生活を送るためにも大切なことです。

できれば黄体期だけではなく、ふだんからリズムを守って生活すると、体の不調に見舞われることも少なくなると思います。

食べ物に気をつける

普段からバランスのよい食事をとれていればベストですが、黄体期に胸の張りや痛みを感じるという方は、次のことに気をつけてみてください。

・甘い物や脂肪分の多いものをとりすぎない。
・体を冷やす夏野菜、白砂糖、小麦粉を大量にとらない。

上記の食べ物は、胸の張りや痛みを増幅させる可能性がありますから、症状がつらいときはちょっと我慢。その代わり、次のような食事を意識してみてください。

・食物繊維やビタミン、ミネラルの多い野菜や豆類を積極的にとる。
・体を温める働きのあるショウガ、ネギ、根菜をとるようにする。

体を温めて血行をよくし、胸の痛みや張りをやわらげてあげましょう。

飲み物に気をつける

黄体期は特に、カフェインを多く含む飲み物を控えたほうがよいでしょう。カフェインのとりすぎは胸の張りを強めたり、女性ホルモンの分泌量に影響を及ぼしたりするからです。体を温める効果のあるハーブティーや、ショウガドリンクなどがおすすめです。

カフェインを含む飲み物というと、コーヒーや紅茶がすぐに思い浮かびますが、チョコレートドリンクや栄養ドリンクなどにも含まれているので、気をつけてくださいね。

ストレスを発散させる

胸の張りも含め、黄体期は心身ともに変化をしますから、それだけストレスも感じやすくなります。体を優しくいたわり、ストレスがたまってきたなと感じたら、発散するようにしましょう。散歩やストレッチ、ヨガなどで軽く体を動かしてもよいですし、静かに音楽や読書を楽しむのもよいですね。自分に合った方法でどうぞ。

お風呂に入ることやお昼寝もおすすめです。

胸の張りや痛み、黄体期以外に考えられる原因は?

時期的に黄体期にあたっている場合でも、ほかのことが原因で胸の張りや痛みを感じることもあります。覚えておいて損はありませんので、念のためチェックしておきましょう。

妊娠している

黄体ホルモンは、妊娠に向けて体の準備をする働きをするとお話しました。そのため胸も張り、場合によっては痛みを感じるわけですが、妊娠している場合も同じ状態になります。違いがあるとすれば、妊娠していない場合は生理が始まるころには胸の張りもおさまりますが、妊娠している場合は継続するということです。

胸が張り、生理も遅れるようなら妊娠の可能性も考えられます。が、ストレスや体調のせいで生理が遅れることはよくあること。気になる場合は、妊娠検査薬を使って調べてみてもよいでしょう。ただし妊娠検査薬は、使うタイミングが早すぎると正確な反応を得ることができません。生理開始予定日から2週間ほど経ったころに試してみてください。

ふだんから基礎体温をつけておくと、体温の変化から妊娠の可能性を読み取ることもできます。基礎体温は排卵日に下がった後、黄体ホルモンが分泌されている間は、高温が続きます。2週間以上高温が続くなら、妊娠の可能性が高いといえます。

生理が始まれば妊娠はあり得ませんが、そうでない場合は、上記の方法で様子を見た後、必ず婦人科の診察を受けてくださいね。

乳腺炎などほかの病気の可能性

胸の張りや痛みは、乳腺炎など、ほかの胸の病気でも起こります。自分の体のことは自分がいちばんよく知っています。胸の張りや痛みが、「なんだかいつもと違うような気がする」、あるいは、以下のような症状が見られたときには、婦人科での診察を受けることをおすすめします。受診して何事もなければ安心です。心配を募らせてストレスを増やすことのないようにしてくださいね。

<こんなときは受診を>
・片方の胸だけが強く張ったり痛んだりするとき。
・胸の張りや痛みと同時に、発熱したとき。
 微熱の場合は少し様子を見てもよいのですが、高熱の場合はすぐに受診しましょう。
・胸に触れてしこりなどを感じたとき。
・生理が始まっても胸の張りや痛みが取れないとき。
・乳頭から何かにじみ出てきたとき。
・胸の張りや痛みがひどすぎて生活に支障が出るとき。

黄体期に見られるほかの症状は?

黄体期には、胸の張りや痛み以外にもさまざまな症状が現れることがあります。最後に、簡単にまとめておきましょう。

排卵痛

排卵痛は、下腹部の痛み、チクチクとした違和感、おなかや腰回りの重たさとして感じられます。下腹部全体の症状として感じられることもあれば、左右どちらかという場合もあります。が、感じ方には個人差があり、何も感じない人ももちろんいます。

排卵痛の原因には、成長した卵胞による刺激、排卵時に起きる出血、卵子が卵管を移動する時の刺激、などがあげられます。

排卵出血

排卵出血は、生理よりも期間が短く、なおかつ軽くすむ出血です。原因は、卵子が卵巣から飛び出る排卵のときに、大量に分泌される女性ホルモンの影響といわれていますが、生理的な現象のひとつなので心配はいりません。

ただし、生理以外の出血には子宮内膜症など子宮の病気が隠れていることもありますので軽視せず、出血量が多い、においや色が気になるといった場合は婦人科を受診することをおすすめします。

粘り気のあるおりものの増加

排卵のころには、透明で粘り気のあるおりものが分泌されるようになります。下着についていると気になるかもしれませんが、受精しやすくするための準備と言われていますから、心配はいりません。むしろ、排卵日を知る目安にもなります。下着のよごれが気になる場合は、おりもの用のライナーを使用するとよいでしょう。

激しい眠気

黄体期に活発に分泌される黄体ホルモンには、眠気を催させる作用があります。そのため、生理前には激しい眠気に襲われることがあります。また体温の変化の影響で、体がだるくなることもあります。

その他の症状

その他、黄体期には次のような症状も見られます。胸の張りや痛み以外にも、思い当たる症状がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

★体の症状
・下腹部の張り、頭痛、腰痛、むくみ、体重の増加、ニキビや肌荒れ、便秘、不快感やだるさなど

★心の症状
・イライラする、憂うつな気分になる、わけもなく泣きたくなる、無気力になる、何もかもいやになるなど

ここに挙げた以外の症状が見られることもありますが、場合によっては日常生活に支障をきたすほどの重たい症状として現れることもまれではありません。PMS(月経前症候群)といい、治療が必要なケースもあります。

症状がひどいときには治療を

排卵期に見られる不調は、今回取り上げた胸の張りや痛み以外にも、多岐に渡って現れます。個人差はありますが、生活に支障が出ることも少なくありません。生理前の体調不良がひどいときには我慢せずに、ぜひ婦人科を受診してください。

効果的な漢方薬の処方や低用量ピルでの治療を受けることで症状の緩和をすることができます。「ピル」というと、抵抗感を持つ人も多いようですが、PMSだけではなく生理の症状も軽くなるため「もっと早く試してみればよかった」という方も多いようです。いずれにしても、ひとりで不安を抱えず、よくお医者さんと相談してくださいね。

排卵日と胸の張りに関するまとめ

排卵日に胸が張るのは、女性ホルモンの影響です。特に心配することはありませんが、不快感を覚えるときには、生活習慣や食生活を中心に見直してみるとよいでしょう。

あまりにも症状が重たい場合はPMS(月経前症候群)としての治療を受けることもできます。毎月のことですから、ふだんから体の声に耳を傾けて、快適に過ごせるように心がけていきましょう!